底が丸く口縁部がやや、すぼまったブランデーグラス状のものは、濡らした指の内側をそのふちに
沿って円を描くようにすべらせると摩擦によってガラスが共鳴し、どこから湧き出てきたのかと思う
ような不思議な、えもいわれぬ音が生じます。
かって十八世紀なかばから十九世紀にかけてのイギリスやドイツでは「ミュージカルグラス」や
「アルモ二カ」とよばれたガラスの楽器が大流行したことがありました。
一時の熱狂がさめてからは余り人々の話題にのぼることもなかったガラスの楽器でしたが
近年、日本ではクリスタルガラスでさまざまな楽器をつくるという新しい試みが続けられています。
マリンバ・ハンドベル・ゴング・トランペット・アルプホルンなどがつくられています。
ガラスの楽器は澄んだ音色と明るくやわらかい響きが特徴で、温度差や湿度に強いという
大きな利点があります。
なぜクリスタルガラスが美しい音を響かせるのかはまだ、完全に解明されていない問題です。
ただ、ほか素材とくらべて内部摩擦が小さく音を吸収する割合が少ないので残響が長く続くと
考えられています。
食器に、ステンドグラス・オブジェに、アクセサリーに、楽器にと、使ってよし見てよし身に付けてよし
奏でてよし・・・
「ガラス」は面白い素材だとおもいます。
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