ガラスたちのおしゃべり : 株式会社十條 制作部/スタジオ グラシアムのスタッフブログ

2010年12月16日木曜日

ギヤマン



江戸時代の頃のガラス---切子の器などを見ますと鈍く輝き、重厚な感じがします。


手にするとズシリと重く、油を含んだように「ぬめっ」とします。


本で調べますと、今のクリスタルガラスに比べ、倍の量の鉛を含む「鉛ガラス」なのだそうです。


ガラスの主な材料はケイ石。これを熔けた鉛に混ぜると「鉛ガラス」になります。


鉛ガラスの特徴のひとつは素地の柔らかさ。


熔ける温度が低く、傷つきやすいが加工もしやすい。それゆえ手触りが滑らかで肌になじみます。


ちなみに、鉛でなくソーダ灰や石灰を入れて作るのがソーダ石灰ガラス。こちらは硬く傷つきにくい


---牛乳瓶のガラス等です。


現在のクリスタルガラス製の食器はそれはそれで、きらびやかな輝きでたいへん華やかです。


ガラス食器も普通に日常で使用します。しかし古い薩摩切子や江戸切子などを見ていますと当時の


人々--(ごく一部の人でしょうが)どんな想いで見て、どんな想いで使っていたのかと想像がふくらみ


興味が尽きません。




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